2012年3月1日木曜日

「下手」は日本の美徳らしい


Twitterって、ぼくみたいな平凡なビジネスパーソンは自分から発信する情報なんてそんなになくて、どちらかというと色んな情報をもらうためのツールとして使ってるわけで、アート関係の情報もどんどん流してもらっててお世話になっています。

で、先週TOKYO FRONTLINEというイベントの情報がガンガン流れてきていました。
東京で開催されてるアートフェアなのようで、「あーいいなあーやっぱいくらネットが日本全国に普及したからってこういうのを生で見られるかどうかはまだまだ東京と岡山では差があるなあー」なんて思ってサイト見てたんですよね。

うわー、作品のなかに「下手」って描いちゃってるよ!!

こちらのブログで解説と解釈が書かれているのでとても参考になるわけですが、それではたと思い出したのが、pixivのような自分の絵を投稿するサイトやら、もうちょっと前「お絵描き掲示板」なんてものが流行っていた頃によく目にした言葉「ダメ絵なのですが…」「へたくそなのですが…」という系のコメントなんですよね。

ぼくは常々「自分の絵は世界中の皆が嫌っていようが自分は好きでいてやらないとダメじゃね!?(ただし現状に満足してはいけない)」と考えていたのですがはたと目からウロコが落ちた思いでした。

そういえば、日本は自分や身内を卑下することが美徳の国でしたね。
「愚息」やら「不肖」やら、ぼくは普段からあんまり空気を読まないもんで忘れていました。


そうかー、だから自分の作品に対して過小評価的なコメントを発することも、ある種日本の美意識のひとつで、そこには自分の作品を「日本の美術」として再定義する行為が含まれてるわけなんですね。

これは面白いです。

油彩で描かれたいかにも印象派的な絵であっても、「ダメ絵ですみません」とコメントがつけばそこには日本人の描いた、日本的な絵という解釈がつくわけです。

「奥ゆかしさ」や「唯足るを知る」精神をかいま見る瞬間。
アートってふけー。

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