美術系の大学に通っていたのですが、あるとき大学の先生がこうおっしゃいました。
「静物画とは、自分とモチーフとその間に流れる空間との対話なんだ。」
これが当時思春期をこじらせていたぼくにとってはものすごくクッサくて「なんだか気取った物言いだな!」なんて感じられていたんですよね。でも、これはいま思えば(ぼくにとっては)もの凄く正解で「なんて絵を描く行為において的を得た表現なんだ!」と感動する勢いなんです。
人間の目は
◯ ◯
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これを人の顔と思うくらいある意味いい加減で、森羅万象を見ているようで適当に流してるんですよね。これは次から次へと飛び込んでくる情報を、ストレスなく処理していくための優れた機能だといえますよね。だって、いちいち性格にとらえてたら絶対疲れます。
だから、静物画を描く時は「こいつの本性はどんなだ!?」「お前はいったい何者だ!?」としっかりガン見して、ちらっと見ただけでは解らない深い部分をえぐり出さないといけない。その活動は「対話」なんだろうな。というわけです。
人間てのは感情の生き物ですから、その日の気温や周りの環境で同じものを見ても快不快が変わります。そういうまわりの様子も絵に影響してくるから、「空間」とも対話しなきゃいけない。
だから「自分とモチーフとその間に流れる空間との対話」なんですよね。
この意味がなんとなく解るようになったのは大学を卒業してからでした。
でも、アートはスポーツとちがって引退がないから良いんですよね。
これからも仕事の合間に自分のペースでちょっとずつ進歩していきたいもんです。
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