2014年3月30日日曜日

漂流ネットカフェを読んでなんか色々えぐられる

漂流ネットカフェ 1 (アクションコミックス)

これは危険な漫画だ。
とくに30代なんかが読むととても危険だ。

主人公が何気なく立ち寄ったネットカフェがごっそり異世界(?)に飛ばされて、そこでサバイバルが始まるってストーリーなのだけど、その主人公の環境がまずい。

なんとなく流されるままに生きてきた主人公の土岐くんは、たまたま立ち寄ったネットカフェで中学校の頃好きだった遠野さんにばったり出会ってしまう。
もうそれこそ告白寸前までいきながら「好き」と言えなかった女の子。

対して家には、何となくつき合ってそのまま流れで結婚し、今は子供ができて腹の大きくなってしまってもうなんというか、頭のさっぱり上がらなくなってしまった奥さんが待っている。
冒頭で描かれる奥さんとのやり取り「昔はあんなに可愛かったのに、今ではこんな修羅のようになってしまって」感がハンパない。「マタニティーブルーな妻」を経験した男子はみんな何かを思うにちがいない。

そんなこんなでネットカフェで「帰りたくないな」なんて思ってたところに突然異世界に遠野と一緒に吹っ飛ばされるもんだから、命がけなのに現実に帰りたいのか帰りたくないのかわからない気持ちでサバイバルが始まるわけですよ。

そして一緒に吹っ飛ばされたネットカフェににいたメンツも多種多様。
でも一貫してるのは、現実の生活になにかしら違和感というか閉塞感・不自由さを感じてるってメンバー。

いや、ひょっとしたらだれだってそうなのかもしれない。
とくに特別なメンバーが飛ばされたわけではないのかも。
今の社会は閉塞感だらけだ。

昔は沢山の選択肢があったはず。
どんどん流されるから仕方なしに、その都度選んできたけど、その選択って合ってたのか?
もっといい人生があったんじゃないか?
できるならやり直したい、なんて思ってるんじゃないか?

そんなことを考えさせられながら読んでいくことになる。

読み終わったあとも「で、あなたは人生満足してる?」と問われてるような気分になる。
ああ困った。

すごい漫画だ。

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