出版社に勤める主人公が辞書の編集に関わり出版に向けて邁進していくお話ではあるが
世の男子には一種の英雄譚のように見える物語ではなかろうか。なんて思ったのです。
非モテ・コミュ障・職場で空気な存在として登場する主人公の馬締さんは
辛くても心からやりがいを感じる仕事と巡り会い
自分でも気づいていなかった長所を見つけて伸ばしてくれる上司と出会い
その長所を認めて(さらに内心羨ましく思って)くれる同僚(しかも彼は社交的でコミュ力が高い)にも恵まれ
そうかと思えば
家の中は自分の好きなもので埋め尽くしてて
容姿を気にせず内面全てを受け入れてくれる、しかも自分の世界をしっかりと持った女性と出会い
上手に告白できなくても、こっちの気持ちを汲んだ返答をもらえる恋愛をし…
なんて調子で成長していくわけです。
ぼくらが欲しいと願うものが沢山描かれているように思えた。
そして馬締さんはそれらをどんどん手に入れていく。
でも、腰が低くて人畜無害な馬締さんのことを妬む気にはなれない。
「よかったね!」「がんばって!!」とつい思ってしまう。
こんな生き方につい憧れてしまう。
よし明日から熱心に取り組める仕事をしよう。
心を通じ合わせられる人たちとのつながりを形成していこう。
終わり方もいい。
馬締さんの日常はこれからも変わらず続いていくんだろうな。
それがたまらなく羨ましく、自分も馬締さんに続きたいと願う。
おれも頑張ろう!
0 件のコメント:
コメントを投稿